Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~
数回のコール音。
ドキドキと胸が鳴る。
『はい』
ずーっと聞きたかった七倉さんの声が聞こえて、なぜか泣きそうになった。
緊張して、なかなか最初の言葉が出せないでいると、
『雛子ちゃん?』
七倉さんが、私の名前を口にした。
綺麗な、綺麗な声で。
「え?なんで……?」
(なんで分かったんですか?)
足りない言葉を心の中で問いかけると、
『勘、かな?』
電話の向こう側で、七倉さんがくすりと笑った。
「すごい」
(エスパーみたい)
『エスパーだから、俺』
シンクロする私の心と、七倉さんの言葉。それだけで幸せがあふれ出す。