Soul Lovers~世界で一番愛する人へ~



「本当は、この後、雛子ちゃんに会いたいとこだけど、高校生に夜更かしさせるわけにはいかないからね。また明日、電話していい?」



電話する。



じゃなくて電話していい?って聞くのが七倉さんらしい。



「はい。待ってます」



私の返事に、



「よかった。家まで送ってあげられなくてごめん。気をつけて帰って」



そう言って、七倉さんの電話は切れた。



最後の最後まで、私のことを気遣う七倉さんは、



本当に、



「優しいな」



胸の真ん中に、まん丸に灯る温もりを抱きしめて、私は家に帰った。




< 92 / 218 >

この作品をシェア

pagetop