人形姫は笑わない
人形劇の始まり
〜感情と表情〜
人には感情がある。楽しい、嬉しい、悲しい、辛い、愛おしい。それは実に豊かで数が多い。
そんな数多き感情を相手に伝える、それが表情。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、そうやって人は相手に自分の感情を伝える。
だけどそれは、”表情があれば”の話。
だって私には、感情を伝える”表情”がないのだから。
………
朝の教室はとても賑やかで楽しいそうだ。みんな友達と話したり、笑ったりで溢れている。
ーただ1人、私を除いて
「あ、人形姫だ…」
「本当だ、人形姫…」
私は白鳥 姫乃。みんなからは人形姫と呼ばれている。可愛いとか、愛らしいという意味ではなく、
ー表情がないー
その不気味さからついたあだ名は人形姫。私自身、このあだ名は好きじゃない。でももう慣れたけど…。
「お前ら席に着けー」
「うわ、田島の先公もう来た!」
「なんだよいつも遅刻してくるくせに…!」
「誰だ今言ったのは、あー、先生傷ついちゃった!…お前ら国語1な」
「「!?」」
田島先生がそう言うとクラスが笑いで包まれた。
窓際に座った私を残してみんなが笑う。
私だって、好きでこうなったわけじゃないのに…。
ただ羨むばかりで、私を置いて時間だけが過ぎていった。
人には感情がある。楽しい、嬉しい、悲しい、辛い、愛おしい。それは実に豊かで数が多い。
そんな数多き感情を相手に伝える、それが表情。
笑ったり、怒ったり、泣いたり、そうやって人は相手に自分の感情を伝える。
だけどそれは、”表情があれば”の話。
だって私には、感情を伝える”表情”がないのだから。
………
朝の教室はとても賑やかで楽しいそうだ。みんな友達と話したり、笑ったりで溢れている。
ーただ1人、私を除いて
「あ、人形姫だ…」
「本当だ、人形姫…」
私は白鳥 姫乃。みんなからは人形姫と呼ばれている。可愛いとか、愛らしいという意味ではなく、
ー表情がないー
その不気味さからついたあだ名は人形姫。私自身、このあだ名は好きじゃない。でももう慣れたけど…。
「お前ら席に着けー」
「うわ、田島の先公もう来た!」
「なんだよいつも遅刻してくるくせに…!」
「誰だ今言ったのは、あー、先生傷ついちゃった!…お前ら国語1な」
「「!?」」
田島先生がそう言うとクラスが笑いで包まれた。
窓際に座った私を残してみんなが笑う。
私だって、好きでこうなったわけじゃないのに…。
ただ羨むばかりで、私を置いて時間だけが過ぎていった。