僕は介護職になりました。
ご利用者のK様。66歳。元水産会社系の経営者。脳梗塞の後遺症により右半身マヒ。装具(足首を固定する器具)を装着している。認知症等はなし。非常に気難しい性格で他利用者の方との交流も少なく、食事やおやつ以外は大半、奥のソファーで過ごされていました。
市場で働いていたこともあり、目をかけてくれていました。時折呼ばれて話し相手になったりしていましたが、その日いつものように呼ばれて行くと、装具を履かし直してほしいとの事。
僕は身体に触れて何かをする際は、先輩を呼んで一緒にしなければいけないと指示をされていた為、「今先輩スタッフを呼んできますのでお待ちください」とお伝えしました。
するとK様は急に大きな声で「お前そんなことも出来ないのになんでここで働いているんだ!そんなことも出来ないなら辞めちまえ!!」と怒鳴られました。
すぐに謝り、事情を説明しましたが(以前にも説明はしております)K様は「お前らの会社で決めたルールなんて知らねぇ!お前はヘルパーだろ!なんでできねーんだ!」と再び怒鳴られ、謝る以外は何も出来ませんでした。騒ぎに気付き先輩職員が来てくれましたが、しばらくご立腹されており、その日は一切喋りませんでした。
次の利用からは話してくれるようになりましたが、僕の中で苦手意識が芽生えました。僕にだけ怒鳴るわけではなく、周りのスタッフにも怒鳴りつける事が度々あり、先輩スタッフも一人を除いてあまり近寄りませんでしたし、無難な会話しかしていないようでした。だから呼ばないとスタッフは近寄らない。危険がないよう遠くから見守っているだけ。
その後もK様に何度も呼ばれて行くと、「立ち上がって移動するから介助してくれ」と頼まれたりし、その度に先輩を呼ぼうとすると「お前はいつになったら介助の許可がおりるんだ!何のためにいるんだ!責任者呼べ!」等と怒鳴られ続け、次第に彼に近寄らないよう、視界に入らないよう避けるようになりました。
その態度にK様が気付かないはずもなく、ある時、先輩スタッフが「K様が僕を呼んでいるから行って。」と言われて、仕方なく行きました。
僕がK様の所へ行くと、唯一K様と時折普通に会話をする先輩スタッフが心配になり付いてきてくれました。少し心に余裕が出てK様に「お呼びでしょうか?」と訪ねると僕の事をしっかり見て話し始めました。その時の会話は今でも鮮明に残っています。
「お前最近俺の事を避けているだろ」
ド直球でした。一撃でギクリとしました。
僕は「いえ、そんな事ありませんよ。」といいましたが、多分目は泳いでたと思います。
「俺がわからないとでも思うのか?お前も怒鳴られるのが怖くて他のスタッフ同様に逃げるのか?技術も大事だか、一番大事なのは心だろうが!!」
「そんな事もわからないなら本当に辞めちまえよ!!」
怒鳴られました。
もう図星過ぎて何も言えませんでした。謝りの言葉もでなかった。怖いとかじゃなく、K様の言葉が本当に心に突き刺さりました。
K様はソファーからいつもスタッフを見ており、自分の訴えを真剣にスタッフにぶつけていたにも関わらず、皆避けていってしまいディサービスに来ているのに孤独を感じていたんだなとその日の夜、思いました。
僕は逃げていました。自分でもわかっていました。
市場で働いていたこともあり、目をかけてくれていました。時折呼ばれて話し相手になったりしていましたが、その日いつものように呼ばれて行くと、装具を履かし直してほしいとの事。
僕は身体に触れて何かをする際は、先輩を呼んで一緒にしなければいけないと指示をされていた為、「今先輩スタッフを呼んできますのでお待ちください」とお伝えしました。
するとK様は急に大きな声で「お前そんなことも出来ないのになんでここで働いているんだ!そんなことも出来ないなら辞めちまえ!!」と怒鳴られました。
すぐに謝り、事情を説明しましたが(以前にも説明はしております)K様は「お前らの会社で決めたルールなんて知らねぇ!お前はヘルパーだろ!なんでできねーんだ!」と再び怒鳴られ、謝る以外は何も出来ませんでした。騒ぎに気付き先輩職員が来てくれましたが、しばらくご立腹されており、その日は一切喋りませんでした。
次の利用からは話してくれるようになりましたが、僕の中で苦手意識が芽生えました。僕にだけ怒鳴るわけではなく、周りのスタッフにも怒鳴りつける事が度々あり、先輩スタッフも一人を除いてあまり近寄りませんでしたし、無難な会話しかしていないようでした。だから呼ばないとスタッフは近寄らない。危険がないよう遠くから見守っているだけ。
その後もK様に何度も呼ばれて行くと、「立ち上がって移動するから介助してくれ」と頼まれたりし、その度に先輩を呼ぼうとすると「お前はいつになったら介助の許可がおりるんだ!何のためにいるんだ!責任者呼べ!」等と怒鳴られ続け、次第に彼に近寄らないよう、視界に入らないよう避けるようになりました。
その態度にK様が気付かないはずもなく、ある時、先輩スタッフが「K様が僕を呼んでいるから行って。」と言われて、仕方なく行きました。
僕がK様の所へ行くと、唯一K様と時折普通に会話をする先輩スタッフが心配になり付いてきてくれました。少し心に余裕が出てK様に「お呼びでしょうか?」と訪ねると僕の事をしっかり見て話し始めました。その時の会話は今でも鮮明に残っています。
「お前最近俺の事を避けているだろ」
ド直球でした。一撃でギクリとしました。
僕は「いえ、そんな事ありませんよ。」といいましたが、多分目は泳いでたと思います。
「俺がわからないとでも思うのか?お前も怒鳴られるのが怖くて他のスタッフ同様に逃げるのか?技術も大事だか、一番大事なのは心だろうが!!」
「そんな事もわからないなら本当に辞めちまえよ!!」
怒鳴られました。
もう図星過ぎて何も言えませんでした。謝りの言葉もでなかった。怖いとかじゃなく、K様の言葉が本当に心に突き刺さりました。
K様はソファーからいつもスタッフを見ており、自分の訴えを真剣にスタッフにぶつけていたにも関わらず、皆避けていってしまいディサービスに来ているのに孤独を感じていたんだなとその日の夜、思いました。
僕は逃げていました。自分でもわかっていました。