オフィスにラブは落ちてねぇ!!
困った顔で水割りを飲む愛美に、マスターはレーズンの入った小皿を差し出しながら優しく笑い掛けた。
「食わず嫌いは損だよ。」
愛美は小皿の上のレーズンを冷たい目で見た。
(私がレーズン嫌いなの知ってるくせに…。)
見た目が苦手で一度も口に入れた事のないレーズンを指先でつまんでみるものの、どうしても食べる気にはなれず小皿に戻す。
「やっぱレーズンは無理…。とりあえず付き合ってはみるけど…やっぱり仕事中の支部長は好きになれない。」
「それはそれでいいんじゃない?仕事中の政弘は、本来の政弘の姿じゃないから。無理して好きになる必要はないと思うよ。」
マスターはガラスの器に盛ったブドウを愛美の前に置いた。
「どうぞ。ブドウは好きでしょ?」
「好きだけど…。」
ブドウを一粒、口に含む。
口の中に瑞々しい甘さが広がった。
「うわ、甘…。でも…なんかそれっておかしくない?」
「そんな事ないよ。愛美ちゃんはホントの政弘だけ見てあげたらいいんじゃない?」
愛美は首をかしげながら、差し出された小皿を受け取って、ブドウの皮を乗せた。
「…わけわかんない。」
ため息をついて、水割りを飲み干しグラスを差し出す。
「おかわり。あと、お腹空いたから、なんか作って。」
「ハイハイ。」
マスターは水割りのおかわりを作って愛美の前に置くと、キッチンに向かって料理を作り始めた。
愛美はマスターが料理をしている音を聞きながら、水割りのグラスに口をつけて腕時計を見た。
店に着いてから、まだ20分ほどしか経っていない。
(私、支部長来るまでもつかな…?)
「食わず嫌いは損だよ。」
愛美は小皿の上のレーズンを冷たい目で見た。
(私がレーズン嫌いなの知ってるくせに…。)
見た目が苦手で一度も口に入れた事のないレーズンを指先でつまんでみるものの、どうしても食べる気にはなれず小皿に戻す。
「やっぱレーズンは無理…。とりあえず付き合ってはみるけど…やっぱり仕事中の支部長は好きになれない。」
「それはそれでいいんじゃない?仕事中の政弘は、本来の政弘の姿じゃないから。無理して好きになる必要はないと思うよ。」
マスターはガラスの器に盛ったブドウを愛美の前に置いた。
「どうぞ。ブドウは好きでしょ?」
「好きだけど…。」
ブドウを一粒、口に含む。
口の中に瑞々しい甘さが広がった。
「うわ、甘…。でも…なんかそれっておかしくない?」
「そんな事ないよ。愛美ちゃんはホントの政弘だけ見てあげたらいいんじゃない?」
愛美は首をかしげながら、差し出された小皿を受け取って、ブドウの皮を乗せた。
「…わけわかんない。」
ため息をついて、水割りを飲み干しグラスを差し出す。
「おかわり。あと、お腹空いたから、なんか作って。」
「ハイハイ。」
マスターは水割りのおかわりを作って愛美の前に置くと、キッチンに向かって料理を作り始めた。
愛美はマスターが料理をしている音を聞きながら、水割りのグラスに口をつけて腕時計を見た。
店に着いてから、まだ20分ほどしか経っていない。
(私、支部長来るまでもつかな…?)