オフィスにラブは落ちてねぇ!!
犬と獣(ケダモノ)
翌日。
いつものように出社した愛美は、夕べの事を思い出すと甘くて照れ臭い気持ちになって、少しドキドキしながら支部のドアを開けた。
緒川支部長は、難しい顔をしてパソコン画面を眺めている。
「おはようございます。」
「おはよう。」
顔を上げもせずに挨拶をする緒川支部長に、愛美は思わずムッとした。
(いつも通りかよ!!)
職場なのだから当たり前かとは思うものの、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
休憩スペースの掃除を終え、内勤パソコンを開いて支社からの業務連絡を確認していると、緒川支部長が内勤席のそばにやって来て、書類の束をドサッとデスクの上に置いた。
「菅谷、これ大至急、支社にデータ送信しといて。」
「…わかりました。」
ニコリともせず大量の仕事を任せてサッサと席に戻る緒川支部長の背中を、愛美はイラッとしながらにらみつけた。
(やっぱ支部長なんか嫌い!!)
夕方。
いつものように仕事を終えて、何事もなく自宅に帰り着いた愛美は、キッチンで夕飯の準備をしていた。
ジャガイモ、人参、玉ねぎ、しめじ、鶏胸肉を煮込み、シチューのルーを入れて溶かし、仕上げに牛乳とコーンも入れてまた煮込む。
鍋からは美味しそうな湯気が上がっている。
(シチュー久しぶり…。それにしても作り過ぎた…?)
お玉でシチューをかき混ぜていると、スマホの着信音が鳴った。
テーブルの上のスマホの画面に映る名前を見て愛美は笑みを浮かべた。
(あ…。)
「もしもし…。」
「もしもし愛美?今家にいる?」
緒川支部長の優しい声が耳に響く。
「ハイ、家にいます。」
「あのさ…柿、好き?」
「果物の柿ですか?大好きですよ。」
「良かった。お客さんに柿をもらったんだけどね…こんなにたくさん一人で食べきれないから…。今から、持って行ってもいいかな?」
いつものように出社した愛美は、夕べの事を思い出すと甘くて照れ臭い気持ちになって、少しドキドキしながら支部のドアを開けた。
緒川支部長は、難しい顔をしてパソコン画面を眺めている。
「おはようございます。」
「おはよう。」
顔を上げもせずに挨拶をする緒川支部長に、愛美は思わずムッとした。
(いつも通りかよ!!)
職場なのだから当たり前かとは思うものの、なんだか肩透かしを食らった気分だ。
休憩スペースの掃除を終え、内勤パソコンを開いて支社からの業務連絡を確認していると、緒川支部長が内勤席のそばにやって来て、書類の束をドサッとデスクの上に置いた。
「菅谷、これ大至急、支社にデータ送信しといて。」
「…わかりました。」
ニコリともせず大量の仕事を任せてサッサと席に戻る緒川支部長の背中を、愛美はイラッとしながらにらみつけた。
(やっぱ支部長なんか嫌い!!)
夕方。
いつものように仕事を終えて、何事もなく自宅に帰り着いた愛美は、キッチンで夕飯の準備をしていた。
ジャガイモ、人参、玉ねぎ、しめじ、鶏胸肉を煮込み、シチューのルーを入れて溶かし、仕上げに牛乳とコーンも入れてまた煮込む。
鍋からは美味しそうな湯気が上がっている。
(シチュー久しぶり…。それにしても作り過ぎた…?)
お玉でシチューをかき混ぜていると、スマホの着信音が鳴った。
テーブルの上のスマホの画面に映る名前を見て愛美は笑みを浮かべた。
(あ…。)
「もしもし…。」
「もしもし愛美?今家にいる?」
緒川支部長の優しい声が耳に響く。
「ハイ、家にいます。」
「あのさ…柿、好き?」
「果物の柿ですか?大好きですよ。」
「良かった。お客さんに柿をもらったんだけどね…こんなにたくさん一人で食べきれないから…。今から、持って行ってもいいかな?」