俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
「ももこ!」
カインが振り向き叫ぶ。
私は急いで立ち上がろうと腕に力を込めた。
ズキッと痛んだ足に、立ち上がることができず顔を顰めた。
「カイン・・・私はいいから、逃げて!」
「なにを・・・」
「あいつが狙ってるのは、カインでしょ!?だから、カインは逃げて!」
カインさえ逃げればあいつだって諦めるはず。
このままじゃ私、足手まといになる。
「逃げるのか、総神!お前はいつも逃げるともっぱらの噂だ!」
「なっ」
「逃げるなら、さっさと逃げるがいい!この女の命はいただいた!」
悪神が剣を振り上げる。
スローモーションのように見えた。
カインが、私の前に出て。
カインの背中を見つめる先に、剣を振り上げる悪神が見えて。
だめ。
カインが、傷つけばこの世界が。