俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
ヨウの名前に一層眉間にしわを寄せる。
少し前、ミイナと会った時ももこの姿を見たことを思いだした。
その後、ヨウと会ったというのか。
もしや、あいつはヨウとそういう仲になっているというのか。
「ももこは、どこにいる」
「ヨウさまの部屋に。容体もわからないためあまり動かすよりはとそうされたようです」
「そうか」
カインは短くそう答えると歩く速度を一層はやめた。
そんなカインの様子に、モリアは驚きに言葉を失っていた。
これほどまでに、誰かのことを心配するカインの姿を見たことがあっただろうか。
ももこの存在は、カインにとってそれほどまでのものだという事なのだろうか。
モリアはそんなことを考えながら、カインを追って足を速めた。
ヨウの部屋につくと、中には医師がもう到着しておりももこを診ていた。
その側に寄り添うように立っているヨウの姿に、カインは唇を噛んだ。
「あ、カイン。モリア、呼びに行ってくれたんだね。ありがとう」
「いえ、ヨウさま」
ヨウが優しく笑うのに、モリアは深く頭を下げた。