俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
「心は、決まったみたいだね」
どこからか、嗅ぎつけたのか、次の日私の部屋を訪れたのはイセさんだ。
私は、強張った顔でイセさんを見上げると小さく頷いた。
「どこでも、私を連れて行ってくれていい」
「それが、ももこちゃんの答え?」
「最初から、私の居場所なんてここにはなかったんだよ」
カインが私をどうしてここに連れて来たのか。
婚約者がいるのに、私の事を嫁だって言って側におく理由が何なのか。
嫁だというくせに、私の事を拒むわけは・・・。
ライが言った、カインのせいじゃなくて、カインのおかげだっていう言葉の意味も。
何一つ、わからないままだ。
でも、それも全部私が知ろうとしてこなかったから。
「今更、カインを知ろうなんて・・・虫が良すぎるんだよ」
「知りたいって、思ってたのか?」
「わからない・・・。でも、知らなきゃ何もわからないって思った。でも、もう今更遅かったんだよ」
私がここにいないほうが。
皆、平穏に過ごせるのなら。
私がここにいていいわけがない。