俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜


慌てた様子で話しあっている最中、カインだけが一人黙ったまま険しい表情で佇んでいた。




「カイン・・・?どうされました?」

「・・・いや」



心配そうにヨウが尋ねるが、カインは短く答えただけでそれ以上なにも言わなかった。
心を閉ざしたようになにも言わず、ただ、騒いでいる様子を眺めている。

そんなカインを複雑な表情で見つめるヨウ。
短く息を吐き、再びライたちとの話に戻った。



その最中、小さく呟くカインの独り言が耳に入った。




「結局、俺の欲しいものは何一つ手に入らない・・・か」





酷く寂しげな声に。
そんなことはないと、声を大にして言いたい気持ちを抑えヨウはライたちとの話に加わる。

カインが、そんな言葉を求めていないことはわかっていた。
慰めにもならないと。


心を閉ざしているカインに、届く言葉を持っていないと・・・。





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