俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜


「カインさま」



カインが自室に戻ろうと廊下を歩いていると、待ち受けていたシモンが声をかけた。
カインは立ち止まることもせずシモンの横を通り過ぎる。



「あの人間の娘に、これ以上肩入れするのはおやめください」




シモンが言い出すことなど、聞かずともわかった。





「あの娘は自ら出て行ったのではないですか?ならば、これ以上勝手なことをなさらずあの娘の事は忘れてカインさまのなさるべきことをなさってください」




返事をしないカインにも気にも留めず、シモンは続けざまにそう言う。
カインは眉を寄せ不機嫌そうに顔を歪めさっさと歩いて行く。
その背中に、シモンはさらに続けて言った。




「カインさまの婚約者は、ミイナ様です。それはもう決められたことです。そのことに、あの娘を巻き込むのはいかがかと」

「・・・言いたいことはそれだけか」




ようやくシモンの方を返り見たカインが、不機嫌な声でそう言った。





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