俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
背中
天上界での暮らしに、少しずつ慣れてきた。
身を寄せている夫婦はとても優しくていい人たちだし、私を本当の娘のように扱ってくれる。
街の様子も、特別地上と変わったものはなく、売っている材料とかも見たことのあるものばかりだ。
これなら、ここでも暮らしていけそう。
「ももこちゃん、外の花に水をやってくれるかしら?」
「はい。任せてください!」
奥さんにそう言われ、私は張り切って外に出た。
水をくんで、花壇に花をやっていく。
空の上にこんな場所があって、花まで咲いてるなんて、よく考えたら不思議だ。
こんな世界があるなんて、知らなかった。
「あ、そうそう。くれぐれも悪神には気を付けるんだよ?ここの所天上界も襲われたりと被害が起きているようだから」
「はい」
家の中から顔を出した奥さんは心配そうにそう言うと中に引っ込んでしまった。
のこされた私は、心がざわめく。