俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
遠くから、慌てたような足音が近づいてくるのが聞こえる。
「おい!」
「ライ」
それは、ライのものでヨウさんが名を呼んだ。
ライはそれに応えることもなく、まっすぐに私に掴みかかってきた。
胸ぐらをつかまれ、ライの方へ向かされた私。
揺れた瞳でライを見上げた。
「なんでカインが大怪我負って帰ってくるんだ!お前側にいたんだろ!どうして引きずってでも逃げなかったんだ!」
「ライ!やめなさい!」
「うるせぇ!コイツは、事の重大さがわかってねぇんだ!カインが、どれだけ大切な存在なのか、あいつがケガを負うことがどれだけの意味を持つのか!」
興奮気味のライを咎めるようにヨウさんが間に入ろうとするけど、ライは力を緩めず私に詰め寄った。
「勝手に出て行ったくせに、カインを巻き込んでんじゃねぇよ!」
「・・・っ、ごめ、ごめんなさい・・・っ」
その通りだと思った。
ライの、言うとおりだと。
だって、私を庇ってカインは・・・。