俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
「昨日、私は一時あなたの側を離れました。あの時どうしてあの場を離れたんですか?この男と落ち合うためでは?」
「違う!私はシモンさんを探して」
「私は少し離れると申しました。店の外で待っていればよかったはずです。それをわざわざあの場から離れたのは・・・」
「ちが・・・、私、その本が大事なものだったなんて知らなかった。昨日戻ってきてそんな本があるってことだって知ったのよ」
疑いの眼差しが。
信じてもらえていないのがわかる。
必死に弁解してもその瞳が変わることがなくて。
縋るようにカインを見た。
それでも、カインから向けられたのは、軽蔑の眼差し。
いつも、口は悪いけど向けてくれる眼差しはとても優しかったのに。
「カイン・・・」
「そんなもの、いくらでも偽れる。あの本を確認したのちこの城に部外者は立ち入っていない。そして、俺の部屋に自由に出入りできるのは俺以外ではお前くらいだ」
「私くらいって・・・」
「お前は、俺の嫁として扱えと言っている。お前なら、許可なく入ろうと誰も気には止めんという事だ。現に何度も入っているだろう」
確かに、誰かに咎められたことはないけど。