俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
声の上がる方に行くと、悪神が人を襲っていた。
逃げ惑う人々。
私は、ごくりと喉を鳴らし、逃げる人を逆走して悪神に向かう。
「がはははは!逃げ惑え!俺たちに敵わないことを知らしめてやる!」
悪神は下品な笑い声をあげながら襲い掛かっている。
「やめなさい!」
私は声をあげ、悪神の前に飛び出した。
声が震える。
泣きそう。
怖くて、逃げ出したい。
「なんだ?お前、天上人ではないな?」
じろりと、鋭い視線が私を射抜く。
恐怖に逃げ出したくなる。
後ろに逃げようとする足を必死で地面に縫い付けた。
「あ、あなたに、聞きたいことがあるの!」
逃げたりしない。
だって、この時を待っていたんだから。