俺サマ神サマ〜お前今日から俺のヨメ〜
なんだかんだ言って、由香は頭いいんだよね。
それに比べて、私は必死に頑張って普通程度。
「うっかりももこ、だもんねぇ」
「もう、うっかり八兵衛みたいに言わないで!」
「そういうとこ私、好きよ?」
「嬉しいけど、嬉しくない」
私だって好きでうっかりしてるわけじゃない。
好きでドジっこしてるわけじゃない。
私だって、もっと大人の女性になりたいのに。
20歳になってもずっとこのままってこと、ないよね?
「なんだか将来、不安になってきた・・・」
「大げさー」
由香はいいよ。
いつだって冷静で頭がよくて、大人びてるんだから。
「ま、あんま根つめないようにね。じゃ、また明日」
能天気に由香がそう言うのを私は片隅で聞いて、住宅街の一角で別れた。
由香とはご近所さんなのだ。