続☆妄想少女と標的君
電車に乗り込んで、会社近くの公園のベンチで朝ごはんを広げる。
あーあ、せっかく上田くんが初のお泊りしてくれたのに、一緒に朝ごはん食べること出来ないなんて…
膝の上に広げた混ぜご飯のおにぎりとサラダが入ったタッパーに、また熱い雨が降る。
ポタリ、ポタリ音がする。
そういえば最後に泣いたのはいつだっけ?
卒業式?
あのときは上田くんが頭を撫でてくれて、優しく肩を抱いてくれて、温かくて、すごく幸せだって思った。
「ははは…」
今は上田くんのせいで泣いてる。
頭を撫でてくれるのも、肩を抱いてくれるのも上田くんしかいないのに、その上田くんで泣いているなんて…
誰も慰めてくれないじゃん。