続☆妄想少女と標的君
「もしもし水原?昨日は、ゴメン。びっくりさせて。実は、」
「大丈夫!私、覚悟ならできてる!その女の人のことが、好きに…なっちゃったんでしょ…?」
すると電話越しに上田くんの深いため息が聞こえた。
ドキリと心臓が強く跳ねた。
浮気を知られてしまってめんどくさいとか思ってるのかな?
もしかして本当は私はただのキープであって、キープの私が真実を知ってしまったから、苛立っているのかもしれない。
あぁ、人って変わってしまうのね。
彼に恋をして、彼の傷に触れて、彼を癒して二人で幸せになりたいって思っていたのに。
二股をかけられて傷を負ってしまった彼は、そのことでどれほど傷ついてしまうのかわかっているから、同じようなことするはず無いと思い込んでいた。
馬鹿みたいだね…
「水原、俺の好きな人は」
「ゴメン聞きたくない。バイバイ」
無理矢理通話を終了させた。
喧嘩をしたのも、無理矢理通話を切ったのも、全部これが最初で最後だった。