続☆妄想少女と標的君
激走
「ぜぇ…ぜぇ…」
ヒールでダッシュしたことなかったけど、人間てほんと、その気になればなんでも出来る…
そう…浮気だって…
「うわああああああああ」
考えたくない!考えたくない考えたくない考えたくない考えたくない考えたくない考えたくない考えたくない考えたくない!!!!!!
頭を抱えてヒールを脱ぐことも忘れて、玄関先で崩れた。
あー、コンクリートの香り…
あの部屋には私の知ってる上田くんの香りじゃなくて、ビールの臭いと恐らくあの美女の香水の臭いでいっぱいで、まるで私が来るべきところでは無いと言われているような気がした。
目頭が熱くなると、コンクリートが雨に濡れた匂いがした_____