もう愛情を求めない
そう言って名前も知らない男は、五人を引き連れてこの場を後にした。


視野を広くした私は、山中さんの方に目を向ける。


嗚咽を吐きながらも、私は痛々しく体を動かす彼を見続ける。



「本当に…俺が悪かったな。


大丈夫か?」


心配されるとは思っていなかったので、びっくりしている。


大丈夫かと訊かれて、酒を飲まされたのを強調された気がする。



< 205 / 461 >

この作品をシェア

pagetop