もう愛情を求めない
「 慎吾…連れてこいよ…」



苦し紛れに言われる義母さんの言葉に驚くばかり。



こんな時にでも看護師に私達の関係を知らしめるつもりなのか。


でも……義母さんにとって、周りの人との付き合い方は気にならないんだよね。


「義…弟はもう少しで、来ると思うよ」





「 最期に…お前の顔なんか…見たくないんだ」


ちょっとした沈黙の後、義母はそう言った。


そして彼女が目を閉じると、心電図の虚しいピーーーっという音が病室を響かせた。



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