もう愛情を求めない
私はこの先、この人から暴力を受けるようにはなるのだ。



「よろしく…お願いします」


小さな声で口にし、深く礼をする私。


これが私に出来る最低限の流儀だった。



「車に乗って。

今から綾ちゃんの家に行くよ」


義父となるおじさんの顔を見て、ニコリとすると、私は言われた通りにする。



今度はあのおじさんから私の傷跡を黙認されるんだ。



私の心は暗いまま、窓川家の家に運ばれた。



「着いたよ。

入りたまえ」


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