もう愛情を求めない
そこそこ勉強してんだ」


そう言うと、私の方に徐々に近づいてくる彼。


教科書をパタンと閉めると、ため息を吐いた。



快君の言葉が胸に突き刺さるのだ。



「そっか…。

ちゃんと親の言う事聞いてるんだ。

さすがだね」


あまり暗い気分に持ち込まないように務める。


しかしその甲斐なく、相手は気づくのだ。


「親はさ、結構子どもに期待するもんなんだ。

その期待に応える方も結構大変で。


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