もう愛情を求めない

家に連れて行けば、何をされるかくらいわかりきっている。


しかし今の自分が無事にいることだけを考えてしまうから、私は彼の言う通りにするしかできない。




「…どうぞ」


アパートに着き、部屋の鍵を開けると、彼を優先させて入るようにする。


フン、と威張りながら入る彼を直視できない。


「へぇ～。
こんな所に逃げ込んだんだ…」


小さく呟く彼は、私を容赦しない。


一旦床に私の体を打ち付けると、首の方に顔を近づける。



「やめて…くださ…い」