sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
恐る恐る居間に顔を出すと、何やら台所の方から声がして。
「この味噌はね、私の秘伝なのよ!帰り持って帰ってね。」
「はい、ありがとうございます。彼女が喜ぶと思います。」
そっと、台所を覗き込むと
お母さんと一ノ瀬司が並んで台所に立っていた。
………え?
「あら〜やっと起きたの?何度も司さんが起こしてくれたって言うのに……全く、昔と変わらない子ね。」
振り返った一ノ瀬司はエプロンをしていて…
はい?何してるの坊ちゃん……
「今ね、司さんに筑前煮のレシピを伝授してるところなの!彼、手際良いのね〜梢、あんた負けないようにお料理勉強しないとね!」
いやいやいや、レシピを伝授って
朝から何してるのよ本当……
こんな時間に起きてしまったせいか、もう翔太は学校に行ってしまっていて、お父さんの姿も見えなかった。
居間でだらだらと朝ごはん兼お昼ごはんを食べていると、一ノ瀬司が筑前煮を持ってやってくる。
「よく呑気に昼前まで眠れるな。俺が何度起こしに行ったか。」
貴方が隣にいると思ったら寝れなかったんですよ……