sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
それから記念パーティーまでの一週間、私は慣れないお稽古事に勤しんだ。
花が好きな私にとって生け花は得意な方だと思ったが、華道の先生からかなりのダメ出しをくらう。
茶道も茶道で苦いものが苦手な私は大苦戦。
そんな稽古事に明け暮れる日々が続き5日目にはもうくたくたで。
最後に待ち構えていたのは礼儀作法。
専門の講師を呼び、食事マナーから歩き方まで様々。さらにはお辞儀の角度も細かく徹底的に教わることに。
「歩き方は申し分ないですが、少し品が足りません。ご令嬢らしく、品を感じられるようにもう一度。」
ご令嬢らしくって何?
私はいつからご令嬢になったわけ!?
品を感じられるようにってそんな無茶な……!
そんなこんなでキツイ一週間を乗り越え
ついに、一ノ瀬グループ創立60周年記念パーティーの日がやってきた。
hotel ICHINOSE の第一号となる都内のホテルで盛大に行われるパーティーでは各界の著名人が多く招待されている。
世界を股にかける巨大複合企業の記念パーティーなだけあって、やはり招待された顔触れは皆豪華で私はかなり場違いに感じた。