sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
どうしたんだろ……
少し、様子がおかしく見えるけど……
横断歩道を反対から歩いてくる若いカップルにヨロヨロと歩くお爺さんは思わずぶつかってしまう。
「オイ、ぶつかっといて謝りもしねぇのかよこのクソジジイっ!」
「ハハッヤダぁ〜〜酔ってんじゃないこのオジサン。」
ガッとお爺さんの靴を踏んで通り過ぎていく男と女。
な、なにあの態度……
周りの人だって、ただチラッと見るだけで何もしようとしない、言おうとしない。
腐ってる、本当。
思わず腹が立って、男に立ち向かおうとしたとき
前を歩いていたお爺さんがゆらりとフラつき…
「危ないっ!」
私は反射的にお爺さんに手を伸ばしていた。
地面に倒れる寸前で、何とかお爺さんを受け止めるが私は力に負け横断歩道の真ん中に座り込む。
はぁ、とりあえずよかった……
「あの、大丈夫ですか?」
お爺さんを伺いながら立ち上がろうとするけど、お爺さんは目を瞑ったまま微動だにしない。