sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
え……、ちょっと…!?
「お爺さん?お爺さん!!大丈夫ですか!?」
少し揺らしてみても反応は何もない。
助けを求めるように視線を上げるが、誰もが知らん振り。
それどころか、私がお爺さんを怪我させた、みたいな空気になっていく。
ちょ、ちょっと待ってよ…
私は慌ててスマホを取り出し病院に電話をしようとするが……
ちょうど信号が青から赤に変わる。
う、嘘でしょ….!?
お爺さんを受け止めた私は地面に尻餅ついた
ままで。
周りの人たちは何事もなかったかのように通り過ぎていく。
もう、何なの!?
ちょっとぐらい助けてくれたって……
お爺さんを抱えながら自力で立ち上がろうとしたとき、そっと誰かに腰を支えられ……
「大丈夫ですか。」
そんな声に顔を上げれば、ひょいっと肩に背負われた。