sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
不意打ちを突かれる、とはきっとこのことだ。
いきなり、『愛してるよ』なんて爆弾……
きっと私の顔は真っ赤だ。
あの冷たい視線を浴びず彼だけにそんな愛の言葉を言うなんて……
いやいやいや、これは嘘隠す為の言葉だ。
間に受けるな私。
「彼にそう言わせる彼女、すごく興味あるな〜。でもそろそろ俺はお暇させてもらうよ。これ以上下劣なんて言われたくないし?それにお邪魔みたいだしね?」
相園さんは繋いでいる手を見つめ去っていった。
どうしよ……
嘘だとわかっていても、心臓がドキドキうるさい。
相園さんがバルコニーを出ると、司は私の手を引いて歩き出した。
手、離さないの?
てっきり、すぐに離すと思っていたのに。
「お、怒ってる…よね?」
恐る恐る尋ねると、彼は立ち止まり振り返った。
「当たり前だろ。どれだけお前を探し走ったと思っている。」
走ったって……私が急に会場から居なくなったから?