sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「もしかして……心配してくれた、の?」
まさかね……
だって、あの俺様暴君が私なんて……
「ド阿保が。俺の苦労を増やすな。
黙って俺のそばにいろ。」
そっと伸びてきた指が私の頬をつまむ。
そばにいろ、なんて
これじゃあ私の言葉を肯定してるみたいだよ。
おさまりかけた心臓がまたドキドキうるさい。
「フンッ、相変わらず間抜け面だな。」
なんて、今度は両頬をつねる。
「ひゃ、やめっ!」
「俺という旦那がいながら、浮気した罰だ。」
う、浮気!?
相園さん一緒にいたことを言ってる?
「浮気なんかじゃ…!」
「よく言う。あいつに顔を近づけられて赤面してただろうが……こんな風に。」
司は眼鏡を外すと私の後頭部に手を回し、グッと顔を近づけた。
──────っ!
唇が触れてしまいそうな距離に、心臓が早鐘を打ち思考が停止しそうになる。