sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「今温め直すから、一緒に食べよ?あ、それとも夜ご飯食べてきた?」
そう言ったときにはもう、電子レンジに料理を入れていて。
無理やりにでも食わすつもりだな、こいつ。
そう思うとなぜか笑みが浮かんで。
「一緒にって、今何時だと思ってんだ。太るぞ。」
椅子に座り、温め直された料理にお箸を伸ばす。
「べ、別腹だからいいの!そうだ、この前古賀さんに有名なワインをもらったの!一緒に飲も?」
俺が料理を食べていることが相当嬉しいのか、年代もののワインボトルを持ってくる。
古賀って言ったか?
まさか、俺が知らない間に会ってんのか?
なんて、考えてることに気付くわけもなくヘラヘラ笑いながらグラスにワインを注いだ。
そして、1時間が経ち……
「ケーキのスポンジ難しくてぇ〜3回もやり直ししてぇ〜〜」
リビングに移り、ソファーに座ってケーキを食べていると、饒舌になったあいつが俺の肩にもたれてきた。
「……その話何回目だ。ってか、お前、かなり酒弱いだろ。」
「弱くないってば〜でも紗栄子にはあんまりお酒飲むなってぇゆわれるかなぁ〜」
なんて、ヘラヘラ笑ってかぶっていた三角帽子を振り回す。
どこが、弱くない、だ?
こんなタチの悪い酔っ払いだとわかっていたら、飲ませるんじゃなかったな……