sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
■ハチャメチャ温泉旅行!!
【梢side】
「やあ、わざわざよく来てくれた。この前のパーティーはお疲れだったね、梢さん。」
一ノ瀬グループ本社の高層階にある会長室に呼ばれた私と司。
出迎えてくれた司の祖父で会長さんが中に入るように促す。
「いきなり呼び出してどうされましたか。彼女も大学が始まり忙しいのですが……」
完全仕事モードの司は淡々と言ってソファーに腰をかける。
会長は2人分のコーヒーを淹れてくれた。
話があると言われてここまで来たけど……何だろう?
改まった雰囲気の会長を見て自然と背筋がピンと伸びる。
「今日呼び出したのは他でもない。式の前に先に籍を入れたらと思うのだが、どうかね。来月の10日は大安吉日でいいと思うんだが……」
……へ?
せ、籍って言いました!?
「その話ですが、もう少し待っていただけませんか?彼女はまだ学生です。私達の考えとして、彼女が大学を卒業して以降。籍を入れるのも式と同じ日にしたいと思っています。まだ焦るのはいかがかと。」
驚く私を他所に、司は冷静になって答える。