sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
我に返ると、司は不審な目で私を見つめていた。
「相変わらず、間抜けな顔だな。夕食まで時間がある。先に温泉入るだろ?」
「……うん………え?」
先に温泉入るだろ?って……
まさか、この部屋備え付けの露天風呂に二人で!?
い、いや、いくらなんでもそれは…!
「早く用意しろ。置いていくぞ。」
なんて、ジャケットを脱ぎ始める。
「ま、待って!?いくらなんでもいきなりすぎない?ハードル高いっていうか…何ていうか…その、つ、司は入りたいの?」
勢い余って、思わずそんなことを聞いてしまう。
案の定、怪訝な顔をする司だけど……急に真顔になって
「当たり前だろ。何の為にわざわざこの旅館に来たと思ってる。」
そう言ったんだ。
ま、マジですか!?
正気ですか?御曹司様!?
「お前さっきからその顔は何だ?どうせ化粧品やら荷物が多いんだろ。半分持ってやるからさっさと行くぞ。」
司は浴衣やらバスタオルを持つと呆然と立ち尽くす私の手を引いた。