sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「お前は金輪際、酒を飲むな。」
なんて、司はビール瓶を回収する。
「……えぇ?どうして!?」
「……どうしてってお前……まさか、忘れたとか言うんじゃねぇだろな?」
司は冷たい視線で私を見つめる。
「……え?忘れたって何が?」
何かあったっけ?
首をかしげると司は顔を歪めた。
「お前ってやつは……随分おめでたいやつだな。今までよく何事もなくやってこられたもんだ。」
ん?おめでたい?
何事もなくって何?
それ以上司はとやかく言うことはなくて、でもビールは一滴も飲ましてくれなかったのだった。
「あ〜〜美味しかったぁ〜〜ここの温泉も料理も最高だね〜!」
「当たり前だろ。老舗の高級旅館だからな。」
ん〜〜と伸びをする私を見て司は言う。
「明日の朝ごはんは何かな〜焼き魚出るかな!?」
「もう朝飯の話か。お前は食い気ばかりだな。」
しょうがないじゃん。
食べるの好きだし。
いっぱい食べたらふかふかのお布団に寝転がりたいよね〜
そう奥の襖を開けると、私は思わず息を飲んだ。