sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
開いた襖の向こうには、二組の布団が隙間なくピタリとくっつけられていた。
えっと……
二組の布団を目の前に固まる私の後ろから司がやってくる。
「会長が言ったんだろうな。夫婦で宿泊すると。さっきお前を奥さんと呼んだのもそのせいだろ。」
ああ……なるほど。
って、そんな悠長に納得してる場合じゃ…
どうしよ……同じ部屋に住んでたって隣で寝ることなんて…
胸が騒めいていると、司は口を開く。
「俺は隣の部屋で寝る。お前はここで寝ろ。」
なんて、司は布団を移動させようとする。
確かに、この場所で寝る必要なんてどこにもないもんね。
って、私少し残念に思ってる?
いやいや、そんなわけ……
「わ、私もてつだ…!」
布団を移動させるのを手伝おうと足を動かした時
お腹いっぱいで緩めた帯に浴衣がはだけ、長くなった裾を思い切り踏んだ私は司の背中に倒れた。