sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
さすがに彼も力があるから布団には倒れずに済んだけど、ギュッと司の背中に抱きつく形になってしまう。
「わ、わ…っ!ごめ…」
慌てて離れようとすると、振り返った司になぜか腕を掴まれる。
「お前、今のワザとだろ。」
間近に迫った端正な顔に息をするのも忘れそうになる。
「ち、ちがっ……!」
言い訳する間もなく、視界がぐるんと回ったかと思うと、布団の上に押し倒されていた。
「まさか、こういうことでも期待していたか?」
「な、……何言って」
いきなりの展開に最早頭がついていかない。
「こういう為の旅行だと会長の話をお前も聞いていただろ。」
こういう為って、会長が言ってたひ孫がどうのって……
「いや、だってそれは……私たち偽装だし、そんなことしなくたって…」
なぜか身体が強張り声が震える。