sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「まさか、ごめんなさい、なんて言うつもりじゃないだろな。」
「ううっ、ごめんなさ…」
まさか、お母様が他界しているだなんて思いもよらなかった。
「お前がそんな顔する必要はない。もう10年以上前の話だ。今更どうってことではない。」
司は何てことないように言うけれど、本当にそう思ってるのかな?
ただ、強がっているだけじゃないの?
なんて、司の横顔を見つめていたらそう感じてしまった。
「……お母様には感謝…だね。」
「……何だ、いきなり。」
不審そうに私の顔を見つめる司の手をそっと包んだ。
「生まれてきてくれて、ありがとう。」
いきなりの私の発言に司は目を見開く。
「あ、えっと…この前は酔っ払ってちゃんと伝えれなかったけど……今、素直にそう思ったの。だから、司を生んでくれたお母様には感謝してます。」
なんて、勢いで言っちゃったけど……大丈夫かな!?
変に思われたりしないかな!?
思わず包んだ手に恥ずかしさが倍増し、慌てて離すと……
「………っ!?」
いきなり手を引き寄せられ、その逞しい腕に抱きしめられた。