sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
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「さすが夏美ちゃん。お友達もみんな本当可愛いね〜」
「いや〜それほどでも〜」
合コン場所は都内で有名なイタリアンのお店。
着くと既に慶明大医学部の男の人たちが待っていて一通りお喋りや食事を楽しんだ後、もう一軒行こうってことになり夜の繁華街を今は歩いているところだ。
私はみんなが歩く一歩後ろを歩いていた。
夏美もみんなも楽しそうだし、よかったんだよねこれで。
チラッと腕時計を見ると、21時を回った頃だった。
司、夜ご飯どうしたんだろ……
そんなことを考えていると、隣に人の気配を感じた。
「どうかした?さっきから浮かない顔してるけど……何か考え事?」
我に返り顔を上げると、まさに好青年と言えよう爽やかな男性が笑みを浮かべていた。
えっと……名前は……森下、くんだったかな?
「ううん、大丈夫だよ。」
何でだろ。
私、さっきからずっと司のことばっかり考えてる。
平然と笑みを浮かべると森下くんは私の歩幅に合わせて歩いてくれた。
「さっきワイン飲んでなかったみたいだけど、もしかして安藤さんお酒苦手?」
「……え、あ……うん。あんまり飲み過ぎると周りに迷惑かけるんで……」
酔っていたとはいえ、司にキスしちゃったんだよ?
まさか私、今までもそんな失態してないよね!?