sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
野外のジェットコースターからはキャーという楽しそうな悲鳴。
遠くには大きなカラフルの観覧車。
すれ違う人たちはみんな楽しそうな笑顔を浮かべている。
「お前……ここに来たかったのか…?」
無理やり持たせたポップコーン片手に不審げな顔を私に向ける司。
「うんっ!遊園地久しぶりに来たくって!」
………って、またほら子供っぽいって思われちゃうかな。
週末は運良く晴天で、思った通り家族連れやカップル、高校生の集団などが多かった。
「もっと早く言えばここ一式貸し切りにしてやったというのに……」
「並ぶ楽しさも遊園地の醍醐味だよ!アトラクション待ちながら他愛のない話をするのが好きなの!」
パークガイドを広げて言うと司はやれやれと笑った。
「だったら、友達と来ればよかったろ。何も遊園地って……」
だって、好きな人と来たかったんだもん。
なんて、言えない。
喉まで出そうになった言葉を押し戻す。