sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
結局はアトラクション自体が苦手。
でも、私に弱みを見せるのが嫌なのか頑張ってるところがまた可笑しくて可愛い。
どうして今更になってそういう新しいことばっかり……
もっと、私の知らない顔があるのかな。
もっと、もっと知りたかったのに。
閉園時間になり、後ろ髪引かれる思いで遊園地出た。
そのあとは前に言ってたフレンチレストランでディナー。
せっかく楽しみにしていたのに、あまり料理の味を覚えていない。
もう、今日が終われば最後だって。
そう思えば、胸が苦しくて仕方がなかった。
当たり前のように助手席に座ってたけど、もうそれも当たり前じゃなくなる。
いつも助手席から見ていた司の横顔はやっぱりムカつくほどかっこいい。
走り出した車に、このままどこかに連れ去って欲しいとさえ思った。
苦痛だった二人の時間がいつからか心地よくて。
私、どうしてこんなに好きになっちゃったんだろう。
信号が赤に変わって車がスピード落として止まったとき、前を見つめたままの司は口を開いた。
「本当に就きたい会社が見つかってよかったな。これまで内定ゼロだった凡人女から成長したんだな。」
なんて、前を見つめたままクスッと笑う。
本当、いつも一言多いんだから……
「まあ、どこかの誰かさんに婚約者って言う採用は頂いてましたけど?」
もう、3ヶ月も前の話なんだね。
懐かしいとさえ思ってしまった。