sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「好きな人?何だ、この前路上で抱き合ってた合コン男か?」
「……違う。」
「じゃあ何だ、卒業アルバムの片想いの男か?」
「……違う。」
「……古賀、なんてまさか言うんじゃねぇだろうな?」
「……違うよ。」
俯いて首を振る私を見て司は溜息をつく。
「どうせ碌でもない男なんだろ。お前のことだ、ちょっと優しくされてころっと気持ちが揺らいだんだろ。」
「そうかもね!だってその人鬼みたいに冷たいのに、たまに人が変わったように優しくなるんだもん!好きになっても仕方ないじゃん!」
冷酷非情なんかじゃない。
そりゃ、冷たいとこあるし、すぐ冷めた目で睨むけど。
それはきっと不器用だからだと、この数ヶ月一緒にいてわかった。
気づいてしまった。貴方の優しさに。