sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「………本当にその男大丈夫なんだろうな。また妹扱いされて振られても泣くなよ?」
泣くよ。
もう泣きそうだよ。
「……妹にすら思ってないよ。だってその人、私のこと野良猫だの、犬だのって……それに阿保阿保言ってすぐ私のほっぺた摘むし……」
その言葉に弾かれたように反射的に私の顔を見つめる司。
「一緒にいる時間がいつの間にか嬉しくて、楽しくて私……ごめん」
もう、私の気持ちを止めるものは何もない。
「好きだよ………司が、好き。」
いつの間にか信号は赤から青に変わっていて、後ろからクラクションの音が聞こえた。
一瞬動きを止めた司だったけど、何事もなかったかのように車を発車させた。
「………お前、本気で言ってるのか。」
ハンドルを握り前を見つめたまま司は言う。
絶対ビックリしてるよね……
それ以前に呆れられているのかもしれない。