sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
■引き裂かれる想い
「私、司に待っててって、言われちゃった〜〜これって脈ありってことだよね!?」
広いリビングの真ん中にドンっと置かれたソファーの上にくつろぐユキちゃんの前に正座して話しかける。
「……待っててってことは期待していいんだよね?」
ジッと、ユキちゃんを見つめるも、当たり前に返答なんてない。
たけど、この猫ちゃんは賢いのか、私に向かって鋭い視線を投げつけ、低い声で鳴いた。
そっか、ユキちゃんからしてみれば私はライバルみたいな存在だもんね。
なんて、馬鹿みたいに納得していると後ろから不審がる声がした。
「お前、ユキに何吹き込んでんだ。」
書斎から出てきた司は私とユキちゃんを交互に見た。
やばい、話の内容聞こえてた!?
「い、いや〜別に何も……」
苦笑いで答えると、司は私を一瞥しコーヒーカップを持って書斎に戻って行った。