sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「そうか、君が安藤梢さんだね。私は一ノ瀬総一郎、司の父です。」
一ノ瀬総一郎……
司のお父様!?
私の背筋はとっさに伸びる。
「すみません、気付かなくて…私…!す、すぐに司さんをお呼びしま……」
「いや、その必要はない。用があるのは貴方の方だ。一度、ゆっくりとお話をしたいんだが……どうかね。」
受話器の向こうから和やかな声が聞こえてくる。
断る理由なんてなくて、私は二つ返事で承諾した。
「司本人には私と会うことは内密に頼むよ。」
一ノ瀬総一郎さんは静かに言った。