sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
■好きという言葉を下さい。
【梢side】
司のマンションを出て約1ヶ月が経った。
もう辺りはすっかりクリスマスモード全開。
もしかしたら司から心配して電話が来てるんじゃないかと思ったけど、電話が来ていたのは最初の一回だけ。
わざわざ電源消しっぱなしにした意味よ。
でも、音沙汰ないならないでよかったかもしれない。
ちょっとの間だったけど夢が見られたんだから。
やっぱり、住む世界が違ったみたい。
「梢〜夜ご飯の支度手伝って〜〜」
「はーい!今行く!」
司のマンションを出て私は鎌倉の実家に戻った。
私が帰ってきたのを見て、家族みんなは司との契約が終わったのだと悟ったみたいで敢えて何も言ってこなかった。
とりわけ、翔太は司とのナイターを楽しみにしていたから残念そうだったけど。
お母さんと並んで夕飯の準備をしていると、翔太が台所に顔を覗かせる。
「姉ちゃんいつまで家いんの?もうすぐクリスマスだってのに予定とかないわけ?」
………こんの弟め。
一々うるさいよ!!
「そうよ梢。一ノ瀬さんとは……もういいの?」
「……いいのって何が?私はただの婚約者の振りをしていただけで……」