sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「………好きだ、梢。」
「………私も、私も司が好き。大好き……っ」
あの日、私たちはやっと思いが通じ合った。
彼も同じ気持ちなんだと思えば嬉しくて、"好き"という言葉以外嬉しいプレゼントはなかった。
晴れて、両想い。
晴れて、本当の婚約者に。
これからの毎日、甘い日々が訪れる…なんて、私は浮かれた頭で考えていたけれど
実際はそんなに甘くはなかった。
勝手なことをした司は自分がリーダーだったプロジェクトを外されたが、階級を落とすことで何とか残ることが出来た。
だが、社長から数名の部下と同じ本地NYでの3ヶ月勤務が命じられた。
楽しくクリスマスやお正月!なんてやっている暇なく、司はNYに飛び立った。
どうしてるかな?
無理してないかな?ちゃんとご飯食べてるかな……
なんて、電話する口実なんていくらでもあるのに
どうしてか、電話をかけれなかった。
仕事の邪魔になるかもしれない。
そう思うと、安易に電話なんてかけられなかった。