sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
その殺気付いたような瞳に、私は思わず動けなくなる。
な、何なの……この人。
まるで、何の感情もない……操り人形みたい。
この人が、あの時私を助けてくれた男性?
王子様みたい…だなんて、一瞬でも思った私はかなりバカだ。
「来月、一ノ瀬グループ創立60周年記念パーティーがある。その記念パーティーで婚約者が決まる。俺は上の命令で決められた相手とは断じて結婚しない。……それで、だ。お前に婚約者のフリをしてもらう。」
…………は?
な、何なのそれ!?
上の命令には従わない?
決められた相手とは断じて結婚しない!?
ただの坊ちゃんのワガママじゃない!!!
しかも、婚約者のフリをする前提で話を進めないでくださいっ!
「ま、まず……どうして私なんですか!?」
押し負けないよう、私は力を込めて言うけれど……
「どうして?フッ、つまらない事を聞くんだな。特に理由などない。お前なら後腐れなさそうだからだ」
あ、後腐れって……
そんな理由で!?