sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「ごめんね、私が勝手に出て行ったばっかりに……もっと近くにいれば…」
あんな別れ方しなかったら……
「梢は何も悪くないわ。梢はね、この家のこと気にしなくていいのよ。向こうで頑張ってるのお母さん知ってるから…」
お母さんは私の手をギュッと包み込む。
そのお母さんの瞳がどこか切なくて、いたたまれない気持ちになる。
頑張ってる……
そんな風に思ってくれてたの?
でも、私は、私は……自分のワガママで家を出て、家族が一番大変な時に居てあげられなくて
私は一体なんなんだろう。
「お母さん、私…っ」
「何だ、まだ居たのか。今更何しに来た。」
酷く低い声にドキッとして顔を上げると、居間の入り口にお父さんが立っていた。
突き飛ばされたときの傷が痛々しくて見ていられない。
「お父さ…」
「何しに帰って来た。お前のいる場所はここじゃない。帰れ。」
お父さんの瞳が私を捉えて離さない。
4年前と変わらない、厳しい目。
私のいる場所はここじゃないって、そんな…