sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
「……司の気持ちはわかるけど、社長だって昔の件も色々考えてだな…っ」
古賀が口を開いたとき、タイミング良く32階に着いた。
「お前が何と言おうが、社長の命令は聞かない。絶対にな。」
エレベーターを降りて、総務課に向かうと一人の社員と目が合った。
「あっ!司さん!これから社員で飲みに行くんですけど司さんもどうですか?」
待ってましたと言わんばかりに、ぞろぞろと俺の周りに社員が集まる。
「行きましょうよ!今日は女子禁制の男のみで!!」
何か断る理由を考えていたとき、ポンっと肩に手が乗った。
「いいんじゃん、たまには。部下がどんなところで飲んでるか見るのも司の仕事だろ?」
振り返ると、古賀がフッと笑っていた。
さっきのしんみりした空気はどこへ行ったのか。
まあ、こいつのこういうところに助けられることは何度もある。
「……少しなら付き合ってやってもいい」
渋々承諾すると、社員たちはワーっと盛り上がった。