sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜
チラッと見えた横顔に見覚えがあった。
あの女はこの前の………
脳裏に浮かぶのは就活スーツ姿のあの女。
………安藤、梢。
化粧と露出度の高いドレスを着ているせいか、最初は誰だか分からなかった。
フンッ、身なりを整えるとそれなりに見れるようになるんだな。
安藤梢は四十代ぐらいの商社マンらしい男に腰を抱かれ席につく。
遠くからでも分かるような引きつった笑顔。
何してんだ、あの女。
とうとう、就職活動を諦めたか。
水割りを一口あおると、社員の一人が俺の顔を見てニコニコ微笑む。
「あの子、ハナちゃんって言うんです!可愛いですよね〜」
最近良く指名するんです!と饒舌になって言う。
ハナ……自分には華がないからという当て付けか。
ジッと、安藤梢の後ろ姿を見つめていると
隣の女がそういえば、と口を開いた。