sweet♡marriage〜俺様御曹司と偽装婚約〜





チラッと見えた横顔に見覚えがあった。

あの女はこの前の………



脳裏に浮かぶのは就活スーツ姿のあの女。


………安藤、梢。



化粧と露出度の高いドレスを着ているせいか、最初は誰だか分からなかった。


フンッ、身なりを整えるとそれなりに見れるようになるんだな。



安藤梢は四十代ぐらいの商社マンらしい男に腰を抱かれ席につく。
遠くからでも分かるような引きつった笑顔。


何してんだ、あの女。



とうとう、就職活動を諦めたか。



水割りを一口あおると、社員の一人が俺の顔を見てニコニコ微笑む。



「あの子、ハナちゃんって言うんです!可愛いですよね〜」



最近良く指名するんです!と饒舌になって言う。


ハナ……自分には華がないからという当て付けか。


ジッと、安藤梢の後ろ姿を見つめていると
隣の女がそういえば、と口を開いた。




< 59 / 251 >

この作品をシェア

pagetop